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「好形」と「悪形」

(サイト移行中。こちらに記事を移動します)

囲碁では「形」という言葉があります。「好形」「悪形」。

「好形」を指せば、自分の陣形がしっかりし、相手を「悪形」にすると相手の石の効率が悪くなり、こちらが有利になります。

有段者は「形」に敏感で、「好形」の手を自然に指せますし、「悪形」になると気持ちが悪くなります。初心者は「形」がわからず、「好形」の何がよくて「悪形」の何が悪いのかピンときません。「好形」も「悪形」もわからないため、無数の選択肢の手から次の手を選んでいることになります。

『形」がわかっている有段者は、「好形」「悪形」の視点から選択肢を絞れます。実際には「悪形」は選択肢として意識されない。なので考える効率が初心者と比べて格段によくなります。

ドラフツでも同じです。何が「好形」なのか、意識できていないと、有効なコマ組みを目指せませんし、勝ちになる形を見逃してしまうことになります。

ショットではない。一見じっと動かしただけだけど、相手に手がなくなっている。こちらが「好形」になっている。華やかなショット=コンビネーションとは異なり、一見、コマを進めただけ、あるいは交換しただけの手。そういう手がいい手だと、瞬間的にわかるようになると強くなれるのだろうなと思います。

右は、私のPlayOKでの実戦対局。

白番です。白を好形にする手は、

白32−27

黒22x31

白36x27

です。

白27は、28、24とともに「Strategic square」と呼ばれています。制空権を得るための重要なマスになります。

これがひとめで「好形」とわかり、この形にしたいと自然に思えること。そうでないと、この手が一瞬では浮かばないと思います。

もう一つの例。こちらも私の実戦から。白番です。

この形、黒22があり、黒24と黒19がある形、この形では白32−27が絶好の手になります。

文章で書くと、理由は以下の通りです。

====

32−27は黒22,17,18の身動きをできなくしている「チェーンロック」という形です。

黒はこのロックを外すには通常「19−23」としてコマ交換を行います。

しかし黒24があるために、この「ロック外し」ができません。黒は動きの不自由なロックにしばらくかかったままになってしまいます。

===

多分初心者にはちんぷんかんぷんだと思います。対局を何回も重ね、「チェーンロック」に痛い目に何度もあって、どうやってそのロックから外れるかを苦心した経験があり、上の理由を理解していると、

この局面では32−27を指したい!

という気持ちになります。

こういう「好形」を意識している/していないの違いは、戦略のたて方にも大きく影響しますし、そしてその後の指しやすさも大きく変わってきます。

ドラフツの理論本は、英語のものが少ないこともあり、私も含めた日本人プレーヤーは「好形」「悪形」を本から学ぶことができません。「形」のストックが少ないのが現状だと感じています。

ここをなんとかできれば、日本人プレーヤーも一段と強くなるはずだと思っています。


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