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自己紹介

私のドラフツ遍歴
 
1.ドラフツと出会うまで

 

2010年1月頃からチェッカーを始めました。2008年中国オリンピックの時にワールド・マインド・スポーツ・ゲームスという世界大会があり、そこにチェッカー・ドラフツ部門の日本代表として参加した知り合いから、「このゲームは、日本では知ってる人が少ない。今から覚えると、次のオリンピックの時の世界大会に日本代表として出れるよ!」と薦められたのがきっかけです。

 

もともと大学時代から囲碁が好きでよくやっていました。大学時代に初めて2,3年でアマチュア4段くらいになりました。それだけ凝り性なんですね。そういう素養があったので、チェッカーを始めることにも抵抗はありませんでした。

 

初めは、アメリカン・チェッカー(8マスで行うもの。ドラフツよりは、スピード感がない)をやっていました。しかし、チェッカーには、とてもとても手順が長いの定石がいくつもあり(アメリカン・ポジションって形は勝ちを決めるまで、何十手と決まった手順がある!)、これを覚えるのがとても大変で、強くなるには先が長いなーと感じていました。

 

独学しててもしょうがないので、2010年7月に日本チェッカー・ドラフツ協会(Japan Checkers Draughts Association: 以下、JCDAと略)の例会に参加してみました。そこでドラフツに初めて触れました。プレイするとたちまち、そのスピード感や派手なコマの取り合い、華麗な大技に魅了されました。それからは、チェッカーよりも、ドラフツばかりやっています。

 

2.テキストをもとめて

 

このドラフツなのですが、その当時テキストは日本語のものはもちろんなく、英語の教本が一冊しかないのです。この英語教本はとてもいい本なのですが、はじめたばかりの初心者にはとても難しく、私にはちんぷんかんぷんでした。数字で棋譜が書いてあるんですが、盤コマがないとさっぱりわからない。でも、盤コマがない。しょうがない自作しよう。そんな感じです。

 

英語以外にロシア語やモンゴル語の本はJCDAにあったのですが、キリル文字っていうんですか、あの文字は絵にしか見えない。困ったー。

 

いったいどこの国が一番強いんだ?ということで、第一回ワールド・マインド・スポーツ・ゲームスの参加者と成績を調べてみました。強い人が多いのは、オランダ・フランス・ロシアだなというのがわかりました。他には、ブラジル・アフリカ・モンゴル。英語圏のアメリカ・イギリスでは、ほぼ普及していないようで、参加者も少なかったと思います。英語はなんとか読めるので、Google翻訳を使えば、オランダ語・フランス語はなんとかなる!ということで、オランダ・フランスのドラフツ協会のサイトにある入門者用ページをGoogle翻訳首っ引きで読んで勉強していました。そのうちオランダでは結構盛んで、子どもたちがやっている。そのための教本もある。販売もやってる。ということに気がついて、2011年にオランダ語の教本を10冊ほど買いました。オランダ協会にメールすると、「日本人がドラフツやってるのか?!」と驚かれ、親切にしてもらいました。地震の後だったこともあったのだと思います。教本はオランダ語ですので、スキャンして取り込んで、Google翻訳先生にぶち込んで英語に翻訳してもらって、みょうちくりんな英語を読みながら、一つ一つ勉強していきました。

 

購入した中に、「DamMentor」というソフトがありました。問題が何千題とある、オンライン教本ソフトです。ちょっとやってみたら、とってもいい。でもいかんせんやはり「オランダ語」。困りました。読めないんですもんね。困りながら、購入したソフトのファイルを見ていると、なんと問題図と解答らしきものが、XMLファイルの中に埋め込まれていました!仕事でSEをやってましたので、なんとかなるということで、そのXMLを解析して、問題文・解答・問題図を抽出して、Google翻訳で英語に翻訳し、それをまた、XMLファイルの中に戻して、購入したソフトの英語版を無理やり自作しました。また、このデータを元にして、A3の紙に100題くらいの問題を詰め込んだPDFをつくり、印刷した紙を持ち歩いて時間があれば勉強してました。これができたおかけで、手筋の勉強がとても捗るようになりました。

 

囲碁とか将棋とかでしたら、強くなるためにはネットやTV・書籍という教材があって、それをこなして町にある碁会所で対局すればいい。でもドラフツを強くなるためには、①どこの国が強いんだー?オランダ・フランスだ!②テキスト輸入だ!③テキストが読めない!Google翻訳だ!④問題集も自作だ!盤やコマも自作だ!って感じです。ドラフツ盤『蘭学事始』ですね、きっと。杉田玄白さんの苦労が忍ばれます。

 

3.特訓!

 

そうやっていろいろとやっていると、「日本人でドラフツで強くなりたいっていう奴がいる」という話が流れたのだと思います。オランダのMarcel Kosterという方から、「先生紹介する?」という連絡がありました。無料でオランダ・ユース・代表クラスの人を探してあげるよとのこと。初めは「いくらとられるんだろう?」とおっかなびっくりで、無料ということが信じられませんでした。どうもそうではないらしいということがわかり、「ぜひ!ぜひ!」とお願いして、やっていただきました。私一人で教えてもらうのももったいないので、日本チェッカードラフツ協会にも連絡をしましたが、なにぶん初めてのことなのでどうなるかもわからず、私一人が受けることになりました。

 

紹介されたStijn先生は、オランダの20代のイケメンで、当時アルゼンチンに住んでいました。Skypeとオンライン対局場を使って、Stijn先生に猛特訓してもらいました。毎週2回2時間の特訓です。しかも予習復習付き。Skypeは英語で、質疑も英語。大変でしたが、問題図を説いているだけではわからない、考え方、戦い方やポイントが分かりました。レッスンが3ヶ月と短かったですが、それでけっこう強くなれたと思います。それが終わる頃、フランスでの世界大会の第二回ワールド・マインド・スポーツ・ゲームス(2012年8月開催)に参加することができました。

6.日本での普及の材料作り

 

実は、2015年9月に事情があって、会社を退職しました。50代の就職活動ということで、なかなか成果は出ません。時間がわりとあるので、以前からやりたかった、英語のドラフツ教本の日本語訳をやることにしました。

「Pre-course in draughts」という入門者用の英語の教本を書いたオランダ人のGoedemoedeさんに、「翻訳したいんだけどいい?ついては本のデータももらえない?」って連絡をして、「OKOK!」と了解をもらいました。Facebookで交流やっててよかった!

130ページ位ボリュームがありましたが、英語はなんとか読めるので、そこはそれほど苦労しませんでした。大変なのは、用語をどう訳すかでした。英語のドラフツ用語はあるのだけど、対応する概念を表現する日本語がない!英語を訳するよりも、日本語でどう表現するか?そっちに時間がかかりましたが、3週間ほどで翻訳しました。翻訳はJCDAの方にもチェックしてもらって、それで完成。

作者のGoedemoedeさんに「できたよ!」って連絡して布団に入って寝て次の日に起きたら、国際ドラフツ協会のサイトに掲載されてました。仕事がはやい!

 

翻訳終わって、JCDAの人と話をしてたら、入門者用の小冊子があるといいんだよねって話になって、それも勢いで作ってみました。こちらもJCDAでチェックして頂いて、JCDAの小冊子として活用していただけることになりました。

 

小冊子に載せる項目で、インターネットのドラフツのオンライン対局場(PlayOK)がありましたが、実はそれも小冊子を作る前はオランダ語でしか提供されておらず、「うーん、イマイチ」と思い、PlayOKに連絡しました。「日本でも普及したいから、日本語にできないですか?」。こっちも、その依頼メールを寝る前にやって、次の日起きたら日本語になってました。仕事がはやい!

 

7.2020年東京オリンピックでの頭脳五輪に向けて

 

素材作りも一段落したので、また自分の勉強に戻っています。オランダの書籍が多いのはもうしょうがないので、「オランダ語をやろう!」ということでオランダ語の勉強を始め、オランダのドラフツ協会発行の『Opleiding tot het Roozenburg-diploma』という本(オランダ語でたぶん200ページ位)を読んで、序盤・中盤の戦法の勉強をしています。戦いの考え方を理解しないと、やっぱり強くはなれなず、そしてそのためにはこの本がいいと、いろいろな方に教えてもらたっため。勉強して少しでも強くなって、東京での頭脳五輪に参加したいと思ってます。

 

国としてのレベルを上げるには、やっぱり若い人がたくさんやるのが一番。2020年の東京オリンピック時に東京で開催されると思われる世界大会に向けて、中学・高校あたりが、ドラフツフラブを作れたりするといいなと思っています。生徒さんたちも世界大会参加という貴重な体験がえられるのではないかなと思います。

 

そのためにも、このブログで情報発信して、普及の一助になればと思ってます。

 

2016/02/16

4.フランスでの世界大会

 

世界各国からの参加者が計72名。日本からは私と故小俣会長と川下さんの3名で参加しました。幸いにして、3勝6敗の成績で、82人中72位を獲得できました。モンゴルのたぶんとても強い選手と戦った時に運良く引き分けになり、そうすると引き分けたにも関わらず、周りの人がわーっと寄ってきて、握手を求めてきました。「日本人がモンゴル人に引き分けたぞ!」ということだったのだと思います。オランダ・ロシア・フランス・中国・モンゴル・インドの方々とも知り合いになれ、とても楽しい大会でした。

 

5.海外との交流

 

世界大会で海外の人と知り合いになって、「そうだ、やっぱり強いのは海外だ。海外の人に教えてもらわないと、日本のレベルアップもないな」と思い、Facebookで海外の方向けに「group of International Draughts of Japan」というグループを作り、各国のドラフツプレーヤーに参加してもらいました。そのグループを通して、ドラフツでわからないことがあれば教えてもらい、海外のプレーヤーと交流しています。今調べたら、280名位の海外のプレーヤーに参加していただいてます。オランダ人の先生を紹介してもらった、Marcel Kosterさんとか、伝説のプレーヤーのWiersmaさんや、英語でドラフツ教本を書いているオランダ人のGoedemoedeさんとか。

 

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